どのような原因で若者世代の「塾通えず」が急速に増えているのでしょうか?それでは、どのような強み要因を育てれば「塾通えず」を予防し削減できるのでしょうか?何故、人々が「塾通えず」と感じるのかという理由は、かなり複雑ですので、先ず、それを大きく捉えることから始めましょう。
先ず第1の理由は、人々が受験勉強をする以外に、どうしても何かをやりたいという強いインセンティブが無い状況であることです。第2の理由は、受験勉強を進めたいけれども、塾以外にそれが効率的に進められる環境が無いことです。それでは、若者世代の「塾通えず」リスクを減らしている強み要因が何かを、その単独効果で見てみましょう。
リスク削減効果が最大の強み要因は「健康管理」でした。「健康管理」は二つのルートで「塾通えず」と感じるリスクを増やしています。一つは、健康上の理由で塾に行けない子がかなりいることです。第2の理由は、その反対に、本人や親が子どもにスポーツやダンスを習いたい、習わせたいため、塾に行けなくなる子が多いことです。「健康管理」を重要と感じている人は、若者世代で親の世代より増えてきており、その人たちは、健康を重んじていない人に比べると僅か18%しか「塾通えず」を悔しいとは思っておらず、満足してスポーツ等に励んでいるのです。
「塾通えず」と感じるリスクを減らす第2位は「友人ネット」を持つ人たちです。彼らは塾に通い定型的な授業を受けるよりも、友人同士で集まり、互いに分からないところを聞き、教え合う方がはるかに効率的と考えている人が多いと思います。
第3位は「幼少時、祖母と同居」です。祖母と同居している子の比率は、若者世代には減少していますが、団塊ジュニア世代には祖母と同居の子が「塾通えず」のリスクに全く影響を受けていなかったのに対し、若者世代では、リスクを半減しています。その理由は、祖母が勉強を教えるということは考えにくく、むしろ、料理や家事、人付き合いなど、社会性の発達に関する影響を与え、それが、学習面でもよい効果を育てると言いう経路が存在するのではないかと考えられます。