ふつうの街のように多世代の住まいが混在 |
シェア金沢のサービス付き高齢者向け住宅は全部で32戸。間取りは1LDKだが、LDKのほかに寝室とかなりゆったりとしている。
住棟はすべて木造の建物で、全4住戸の平屋が4棟、全8住戸の2階建てが2棟あり、それぞれにポーチ・玄関が付き、住戸とは別に共有のリビングとキッチンがある。住宅エリアは街のほぼ中央部にあり、障害のある児童の入所施設、学生向け住宅、アトリエ付き学生向け住宅と交じり合って配置されているのが特徴だ。 |
「ふつうの街のように、近所にお年寄りもいれば学生も子どももいる。朝起きてバルコニーに立てば、まわりに住むいろいろな人と顔を合わせて挨拶が交わせるよう、あえて“ごちゃまぜ”に配置しました」 |
高齢者向け住宅 |
高齢者向け住宅は1LDK、窓からの景色が軽井沢のコテージを思わせる部屋が。安否確認や緊急時の対応などのサービスがついて、家賃は月11万円です。この敷地の建物は、住民同士が自然と交流できるように、あえて玄関やベランダが向き合うように設計されています。こうすることで、住民同士があいさつを自然に交わしたり、声をかけあったりする機会が増えるんです。さらに共有のキッチンやリビングも作られているので、気軽に住民どうしが集まることも。 |
自然に交わるこれらのしかけ、ある狙いを持って設計されています。「(社会福祉法人代表・雄谷良成さん)だれもいない中で静かにというのもいいんでしょうけど、日常の中にほっとする場所があるというか...一緒にいることを感じながら暮らしているっていうのが、おもしろい。」
|
学生向け住宅は付き3万円 |
敷地内には学生向けの住宅も。近隣の大学に通う学生の部屋は、家賃たったの3万円。相場の半額です。また美術大学に通う学生には広いアトリエが。そしてその脇には...トレーラーハウス!なんとここが生活スペースなんです。アトリエつきトレーラーハウス、家賃は月3万円。 |
安いっ。しかしどうしてこんなに安いの?...それは、学生の入居条件に、敷地内での月30時間のボランティアがあるから。例えば、障害のある子どもの施設で週に4日、食事のケアをしたり、美術大学の学生は、地域の子供たちに向けた工作教室を開催しています。家賃を格安にしてボランティア活動をしてもらう...福祉に学生を巻き込む仕掛けです。
|
施設の地域の人を呼び込む仕掛け |
施設の中には、日々の暮らしに役立つ日用品店や、ジャズバンドが演奏するカフェ、そしてキッチンスタジオなど、13軒のテナントが入居しています。実は、これらのテナントも福祉を担うメンバーです。ずばり!テナント料は無料!そのかわり、入居者や周辺の地域に暮らす人のために、何らかのサービスを提供することが条件。 |
例えば、クリーニング店では、障害のある人たちが働き、受付から洗濯物の仕上げまで任されています。障害者の方の雇用と社会参加に一役かっています。そしてボディケアサロンでは、デイサービスの利用者に無料で体操教室を開いています。ビジネスと福祉、ここも一体となっているんです。 |
天然温泉や野菜の直売所も |
さらに歩いていくと、敷地の中には、アルパカが!珍しいアルパカを目当てに、近所の子どもたちが頻繁に遊びに来ます。アルパカを介して、周辺地域とのいろんなひろがりが生まれているんです。 |
さらに子どもたちだけではなく、地域の人には入浴料無料の天然温泉に、地元農家が育てた野菜の直売所も開放。こうやって施設の外、周囲の地域からもたくさんの人が訪れるように工夫しています。 |
このケーススタディーをお読みになった方はどなたでもこの社会企業モデルの評価に参加できます |
この社会企業を評価する |
自分のニーズに合っている |
みんなが役割を持って参加 |
制度のはざまをカバー |
ビジネスとして長続きするか |
他のまちにも応用可能か |
総合評価 |
あなたの評価:1から5(満点) |
5 |
5 |
5 |
3.3 |
5 |
4.7 |